金子 慎二郎 (かねこ しんじろう)
村山医療センター 整形外科 医長
患者さんにあった治療方法を見つける姿勢。それを実現するのは、医師1人の力だけではなく、同じマインドを持った他のスタッフ達の力、そして病院の伝統も礎としてあるということがわかりました。
改めて村山医療センターにおける「チーム医療」の意味を聞いてみたい、そのような気持ちで引き続き、金子医長にお話を聞いてみました。
聞き手:チーム医療という観点から見て、村山医療センターならではという点はありますでしょうか。
金子:先程、伝統的に当院の医師達は高いプロ意識を有していると述べましたが、看護師・理学療法士・作業療法士・薬剤師・放射線技師・検査技師などのコメディカルのスタッフに関しても同じことが言えると思います。彼らも高い専門性を発揮して、日々、診療の補助を行っているのみならず、それぞれの職種領域での研究・学会活動も活発に行って、日々の業務の改善にも努めています。それぞれの職種のスタッフが同じ方向性を向いて、チームとして患者さんの治療にあたることは、患者さんに良質な医療を提供していく上で極めて重要だと考えています。
質の高い治療を提供するためには、その患者さん1人のために医療チームのメンバーそれぞれがそれぞれの職域で専門性を発揮して、すべきことをきちんと行っていくということが重要です。医師1人で患者さんの治療ができるわけではありません。たとえば手術1件を行うにしても、主治医、助手、看護師複数名、麻酔科医が必要なばかりでなく、良好な環境の手術室の存在とその管理、術前術後の管理にあたる看護師、検査技師、薬剤師、合併症を診てくれる内科医・外科医など、多くのメンバーの協力が必要となります。画像診断には放射線部門も欠かせません。さらに術後に重要なリハビリには療法士の協力が必要であり、これらすべてがきちんと稼働することが質の高い治療につながります。
チーム医療は医師だけではなく、看護師、療法士や、その他、病院をいろいろな側面から支える多くのスタッフの仕事の上に成り立っています。良質で高度な医療を実現する為には、チームの1人1人がプロフェッショナルにならなくてはなりません。1人1人の力が、チームとしての医療の質を向上させます。
看護師を例に挙げれば、勤務時間外の勉強会、研修など看護の技術を向上させるための取り組みも活発に行っています。村山医療センターでは、高い専門性を発揮した質の高い医療を提供する為に、真の意味でのチーム医療がしっかりと機能しており、それぞれの専門領域で免許を取った後に、プロフェッショナルとしていかに医療従事者として仕事を行っていくべきか、という理想的な姿を垣間見たようでした。。