DPC制度(DPC/PDPS)とは「Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System」の略です。これは、WHO(世界保健機関)が定めた国際疾病分類ICD-10(ICD:International Classification of Disease、疾病および関連保健問題の国際統計分類第10回修正)に基づいて厚生労働省が定めた診断群分類(DPC)を使用した定額払い制度のことです。
この制度は平成15年4月より開始され、当施設では平成30年4月より導入しました。
病院情報の公表目的
1.国民または診療を希望する皆様に対して当施設の特徴と医療の質を理解していただきます。
2.診療情報の制度を向上に繋げます。
使用するデータ
DPC調査データ「様式1」「様式4」「Dファイル」
集計対象
2018年4月~2019年3月までの退院患者
集計方法
・対象期間中に退院日を基準として集計をしております。
・入院は1入院を1回と数え、同一の患者さんが対象期間中に何度も繰り返し入院している場合には、
退院した回数で集計します。
・一般病棟を退院した患者様の集計を対象としております。
・入院した時点の年齢で集計をしております。
除外対象
・入院した後24時間以内に死亡した患者
・臓器移植を行った患者
・歯科診療のみの患者
・労災、交通事故等の患者(医療保険を使用していない患者)
集計項目
1.年齢階級別退院患者数
2.診断群分類別患者数
3.初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
4.成人市中肺炎の重症度別患者数等
5.脳梗塞のICD10別患者数等
6.診療科別主要別患者数等(診療科別患者数上位10位まで)
※患者数が10未満の場合には、「ー」(ハイフン)を表示します。
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
患者数 | 6 | 36 | 50 | 77 | 160 | 336 | 558 | 875 | 329 | 15 |
定義
①平成30年4月~平成31年3月31日に退院した患者様の集計を対象としております。
②入院した時点の年齢で集計しております。
③10歳刻みの年齢階層別に集計しております。
④年齢階級は90歳以上を1つの階級としております。
解説
当院では、小児からご高齢者の方まで、幅広い年齢層の患者さんを診療しております。
70歳以上のご高齢の患者さんの割合が全体の約50%を占めております。
二次医療機関および開業医と病診連携を取りながら診療を行っております。
手の専門医師が2名加わり、手根管症候群や正中神経麻痺等の疾患も診察・手術することができるようになりましたので高齢者の患者さんが増加しました。
診療科名:整形外科 診療科コード:120
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | ||||
070343xx99x1xx | 脊柱管狭窄 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 処置2:脳脊髄腔造影 | 239 | 2.70 | 2.79 | 0.84% | 70.7 | ||||
070350xx97xxxx | 椎間板変性、ヘルニア その他の手術 | 211 | 15.87 | 15.83 | 0.0% | 49.8 | ||||
070343xx97x0xx | 脊柱管狭窄 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術 処置2なし | 207 | 21.05 | 16.80 | 0.0% | 71.4 | ||||
070343xx99x20x | 脊柱管狭窄 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 処置2:神経ブロック 神経根ブロック等(2) 副傷病なし | 176 | 4.01 | 6.59 | 0.57% | 69.5 | ||||
070341xx020xxx | 脊柱管狭窄 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術、前方椎体固定等 処置1なし | 149 | 20.47 | 20.71 | 3.36% | 63.9 |
解説
当科の退院患者数は2281名でした。最も多い疾患は腰部脊柱管狭窄症の脊髄造影検査入院で、2番目に多い疾患は腰椎椎間板ヘルニア対しての手術、3番目に頚椎症性脊髄症に対しての手術、4番目に腰椎すべり症に対する神経根ブロック入院、5番目に変形性股関節症対する手術でした。
脊椎膝下の治療としては、狭窄の程度や場所などにもよりますが、まずは手術以外の治療を試み、それでも改善に乏しい場合には手術を行う順番になります。
昨年度より腰椎椎間板ヘルニアに対する「ヘルニコア治療」を始めました。
適応者は、保存療法で十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニアを対象とし、昨年度は11名の患者で21歳から55歳と比較的若年齢に対し1泊2日で行いました。
診療科名:外科 診療科コード:110
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | ||||
060035xx99x60x | 結腸の悪性腫瘍 手術なし 化学療法あり 副傷病なし | 21 | 1.90 | 4.41 | 0.0% | 76.4 | ||||
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア 15歳以上 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 15 | 5.13 | 4.96 | 0.0% | 63.6 | ||||
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | - | - | 12.77 | - | - | ||||
060100xx01xx0x | 小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし | - | - | 2.67 | - | - | ||||
060102xx99xxxx | 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | - | - | 7.75 | - | - |
解説
大腸癌術後の日帰り化学療法が1番となりました。2番目は鼡径ヘルニアの手術です。
当科は外科一般を行っています。専門領域として消化器外科が中心となります。診断から治療までを一貫しており、治療方針としてガイドラインに準じての治療を基本としています。
診察にみえる患者さんは地域住民が中心であるため、当科は地域医療貢献していると考え、内視鏡外科の専門領域としても今後のさらなる低侵襲の内視鏡手術を重点としていきます。
※患者数が10未満の場合には、「-」(ハイフン)を表示します。
診療科名:内科 診療科コード:010
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | ||||
070470xx99x5xx | 関節リウマチ 手術なし レミケードあり | 11 | 1.36 | 2.73 | 0.0% | 69.6 | ||||
030250xx990xxx | 睡眠時無呼吸 検査 | - | - | 3.13 | - | - | ||||
100071xx99x100 | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)(末梢循環不全なし)手術なし 手術・処置21あり 定義副傷病名なし 85歳未満 | - | - | 13.90 | - | - | ||||
100070xx99x110 | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)(末梢循環不全なし)手術なし 手術・処置21あり 副傷病名あり 85歳未満 | - | - | 15.51 | - | - | ||||
050140xx99x00x | 高血圧性疾患 手術なし 処置2なし 副傷病名なし | - | - | 8.80 | - | - |
解説
当科では、関節リウマチに対しレミケードを日帰り入院で行っております。
また、呼吸器内科の専門診療および禁煙者に対する禁煙治療のため、高血圧症、糖尿病、脂質医受傷などの生活習慣病や骨粗鬆症を主な対象疾患として外来、入院診療で行っております。
整形外科および外科で手術予定されている患者について循環器内科、神経内科の専門医(非常勤)が診療を行っており、合併症の予防に努めています。
※患者数が10未満の場合には、「-」(ハイフン)を表示します。
診療科名:リハビリテーション科 診療科コード:260
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | ||||
070230xx99xxxx | 膝関節症 手術なし | - | - | 13.64 | - | - | ||||
160980xx99x0xx | 骨盤損傷 手術なし 処置2なし | - | - | 19.32 | - | - | ||||
080010xxxx0xxx | 膿皮症 処置1なし | - | - | 12.51 | - | - | ||||
050161xx99000x | 解離性大動脈瘤 手術なし | - | - | 17.4 | - | - | ||||
0400801299x010 | 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満)手術なし 手術・処置2なし 副傷病なし A-DROP スコア0 | - | - | 11.59 | - | - |
解説
脳梗塞をはじめ多岐に渡り、障害を起こすあらゆる疾患を対象としています。障害に至った過程を正すのではなく、そこからいかに日常生活を取り戻すかが治療の主眼となります。
2019年3月に新病棟へ移転することができ、回復期リハビリテーション病棟では、とても広いデイルームを造り、そのデイルームで経管栄養も含めて全員そろって食事を取るようにしております。
明るい日差しに含まれながら、患者さんがしかるべき場所へ戻る第一歩として、まずは食事から始められるように医療を提供していきたいと思います。
※患者数が10未満の場合には、「-」(ハイフン)を表示します。
※リハビリテーション科は、DPC対象となる病棟に患者の受入れをすることは少なく、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟、障害者病棟の患者を多く受入れている。
該当する患者数が10件未満のため、掲載しておりません。
該当する患者数が10件未満のため、掲載しておりません。
ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 | ||||
G45$ | 一過性脳虚血発作及び関連症候群 | 3日以内 | - | - | - | - | ||||
その他 | - | - | - | - | ||||||
G46$ | 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 | 3日以内 | - | - | - | - | ||||
その他 | - | - | - | - | ||||||
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | - | - | - | - | ||||
その他 | 39 | 101.51 | 69.15 | 25.0% | ||||||
I65$ | 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄、脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - | ||||
その他 | - | - | - | - | ||||||
I66$ | 脳動脈の閉塞及び狭窄、脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - | ||||
その他 | - | - | - | - | ||||||
I675 | もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> | 3日以内 | - | - | - | - | ||||
その他 | - | - | - | - | ||||||
I679 | 脳血管疾患、詳細不明 | 3日以内 | - | - | - | - | ||||
その他 | - | - | - | - |
解説
脳動脈の塞栓症による脳梗塞が17名、脳動脈の閉塞または狭窄による脳梗塞9名、脳動脈の血栓症による脳梗塞8名、が主に占めており、平均年齢も69歳と高齢者の患者が増え、個々にあったリハビリを行っております。
近隣の急性期病院から回復期リハビリテーション病棟へ数多く受け入れております。必要なリハビリテーションを集中的に土日も含め365日提供する病棟です。チーム医療を推進し、患者さんの1日も早い回復と在宅復帰を支援しています。
※患者数が10未満の場合には、「ー」(ハイフン)を表示します。
診療科名:整形外科 診療科コード:120
Kコード | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス | |||||
K1425 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) | 250 | 3.10 | 21.54 | 0.8% | 71.34 | |||||
K1423 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) | 221 | 3.72 | 26.03 | 0.45 | 67.48 | |||||
K1342 | 椎間板摘出術(後方摘出術) | 169 | 2.62 | 15.29 | 0.0% | 49.92 | |||||
K1426 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) | 164 | 6.13 | 31.12 | 3.66% | 64.39 | |||||
K0821 | 人工関節置換術(股) | 106 | 2.44 | 30.48 | 0.0% | 67.25 |
解説
当院では、脊椎疾患の件数が多く、腰部脊柱管狭窄症をはじめ、腰椎椎間板ヘルニアや側弯症などの患者に対し低侵襲集術を数多く行っております。脊椎の良性腫瘍に対し手術も行っています。
昨年度より腰椎椎間板ヘルニアに対する「ヘルニコア治療」を始めました。適応者は、保存療法で十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニアを対象とし、昨年度は11名の患者で21歳から55歳と比較的若年齢に対し1泊2日で行いました。
また、膝関節および股関節に対して、集約的な治療の実践と人工関節置換術後の継続的な診療を行っております。手術件数では、人工股関節置換術106名、人工膝関節置換術は40名でした。
現在は4名の関節専門医による診察を行っており、変形性股関節症や、臼蓋形成不全症、大腿骨頭壊死症、股関節の外傷に対する治療、進行予防のための指導を行っておりますので、股関節の痛みや股関節疾患の既往のある方で心配されている方は、診察をおすすめします。
診療科名:外科 診療科コード:110
Kコード | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス | |||||
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 16 | 1.69 | 2.38 | 0.0% | 62.25 | |||||
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 12 | 1.92 | 4.92 | 8.33% | 60.42 | |||||
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・切除術(長径2Cm未満) | - | - | - | - | - | |||||
K719-3 | 痔核手術(脱肛を含む)(根治手術) | - | - | - | - | - | |||||
K7435 | 腹腔鏡下食道裂肛ヘルニア手術 | - | - | - | - | - |
解説
当科が担う役割は、地域根差した一般外科です。発生頻度の高い「虫垂炎」「痔」「腹部ヘルニア」などの疾患を丁寧かつ確認に診察することです。特に低侵襲性外科治療をモットーにしてます。高齢者の患者は、腹部ヘルニアの発生率も高い。加齢によるお腹の筋肉の衰えがあるためです。
当科では腹腔鏡を用いた後方アプローチの「TEP法」を積極的に行っております。術後の癒着が少なく、腸閉塞などの合併症が起こりにくいため、早期に退院することができます。
非常勤女性医師による、乳腺外来で乳がん検査も行っております。2017年の人口動態統計によるがん死亡データで、女性の乳房による癌が5位となっている。
特に40歳代の死亡率が多く占めているため、早期による検診によって防ぐことで、治癒が期待できます。
※患者数が10未満の場合には、「-」(ハイフン)を表示します。
令和 元年9月30日 平成30年度 DPCデータに基づく病院情報の公表を掲載しました。