村山医療センター 医局秘書
アルーナ
こんにちはアルーナです。
今回のレポートは前回に引き続き腰椎分離症についてです。
腰椎分離症は原則として保存的に治療されますが、内服などの保存的治療では軽快しない場合、下肢痛の強い例、すべり例は手術を要することがあります。
手術法としては分離部修復術、分離部除圧術、脊椎椎間固定術(PLIF、TLIF)などが挙げられます。
松川先生の発表した低侵襲分離部修復術についてお聞きしました。
アルーナ:どんな点が低侵襲なのでしょうか。
松川:傍脊柱筋(体幹の筋肉)の剥離を最小限に抑えた手術法です。術後腰痛や筋の壊死・脱神経性変化(周辺の末梢神経の変性)の軽減が期待され、早期復帰に有用と思います。
アルーナ:どのような方に適しているのでしょうか。
松川:特に筋層の発達した若年者に有用です。すべての方に適応されるわけではありません。腰椎不安定性のない分離部由の腰痛のある方で活動性の高い若年成人が対象となります。
もちろんかならずしも低侵襲であることがいつもいいわけではありません。病態、年齢、活動性などによって適切な治療法を相談することが重要です。
松川先生の論文を紹介します。
低侵襲腰椎分離部修復術における フック・ロッドの新しい挿入法
―フックエクステンダーを用いた工夫
【要旨】
腰椎分離症に対する分離部修復術の有効性は,臨床的にも生体力学的にも報告されてい
る.われわれは,低侵襲分離部修復術におけるフック・ロッドの新しい挿入法について報
告する.最大の特徴はフックをエクステンダーと接続して把持することであり,正確な
ロッド長の測定,容易なロッドの挿入が可能となった.正中の限られた狭深な術野において操作性を大きく向上させる手技であり,特に筋層の発達した若年者に有用と考える.
以下の記事で、腰椎分離症(分離すべり症)の診断、治療、症例をレポートしています。あわせてご覧いただければ嬉しいです。
腰椎分離症(分離すべり症)とは
まだまだ暑い日が続きます。みなさま、お身体にはお気をつけください。