村山医療センター 医局秘書
アルーナ
こんにちはアルーナです。
今回は前回に引き続きヘルニコアのお話です。
松林先生に具体的な治療の流れについてお聞きしました。
ヘルニコアの診断と適応については以下の記事をご覧下さい。
ヘルニコアの診断と適応 -腰椎椎間板ヘルニアの最新治療-
アルーナ:ヘルニコアに適応のある腰椎椎間板ヘルニアと診断がついてからの流れについて教えてください。
松林:まず注射する日にちの設定から始まります。村山医療センターでは月曜日から金曜日までのどこかで医師と患者さんの都合にあわせて、入院日(その日に注射します)が決定されます。患者さんには帰る前に基本的な検査(血液検査・胸部X線等)を受けていただきます。
アルーナ:検査はその日に終わるのでしょうか。
松林:時間はそんなにかからないので終わります。看護師から入院に必要な物品を教えてもらってから帰っていただきます。血液の流れを良くする薬を内服されている方は必ず申し出てください。これは重要なことです。場合によっては薬を休薬する必要があります。
アルーナ:入院までに気を付けることはありますか。
松林:症状が悪化してきた場合にはすぐに連絡してください。もしかすると来院してもらうことになるかもしれません。
アルーナ:治療が決定してから実際に入院するまでの期間はどれくらいですか。
松林:だいたい1-2週以内で可能でしょう。
アルーナ:入院してからの流れはどうなっていますか。
松林:入院日に午前10時までに病棟に入院してもらいます。看護師による問診後、だいたい夕方になると思いますが、放射線透視室に移動します。検査台に横になって側臥位で開始になります。医師による局所の消毒、麻酔の後、注射針が刺入されます。背中の真ん中から4-6㎝横、つまり背中に近い横腹からと思ってください。レントゲンで確認しながら、目的の椎間板まで針を進めます。ほぼ中央に入った所で1mlほどの薬液が注入されます。
アルーナ:痛いでしょうか
松林:注射と同じですから多少の痛みはあります。
アルーナ:すぐに動けるのでしょうか。
松林:脈拍・血圧測定などの後、病棟に戻ります。看護師の確認後、歩行は可能になります。自由になるのは2-3時間後でしょう。
アルーナ:翌日退院ですね。
松林:症状の悪化、全身状態の悪化がなければ退院となります。
アルーナ:全身状態の悪化って怖いのですが。
松林:この治療は本来体のなかにはないものを注射するのでアレルギー症状が出現する可能性があります。しっかりと問題ないことを確認していただきます。
アルーナ:その後はどうするのですか。
松林:次回の外来日に症状が軽快しているかどうかチェックされます。症状が軽快しているなら2か月後くらいから少しずつ運動が開始されます。それまでは日常生活は問題ありませんが、あまり重いものなどもたないほうがいいでしょう。
アルーナ:うまくいくといいですね。
松林:もし手術的にヘルニアを治療する場合、入院期間が1-2週間はかかりますので、ヘルニコアが効果あれば患者さんは楽だと思います。
アルーナ:もし効果がなかった場合、もう1回行えるのでしょうか。
松林:残念ながらヘルニコアの注射は1回で終了になります。症状がとれなければ手術治療を検討したほうが無難でしょう。